私が小学生だった頃、手塚治虫のブラックジャックというマンガがありました。ブラックジャックという医師は、博識で何でも診ることができ、腕も確かなのですが、法外な医療費を請求するので金の亡者のように言われます。しかしそうでありながら実は人情味あふれる非常に暖かい医療を提供しており、それにあこがれて私は医師を目指しました。
縁あって栃木県にある自治医科大学に入学しましたが、そこは地域医療を支えることができるように、幅広い病気に対応でき、「病気の専門医」というより、「目の前の患者さんの専門医」となれる医師を育成する大学でした。そして卒業後長崎の離島医療に身を置き、そこでいろいろな経験をしてきた中で、私がやりたい医療の原点はまさにそこにあると感じるようになりました。
地域に住む人が、
- 知人に悩みを相談に行く感覚で医療を受けられる。
- 相談さえすれば、専門外だからと断られることなく、どんな病気であっても少なくともどうしたほうがいいというアドバイスまでは受けられる。
- 通院困難な高齢者でも人生を最後まで自宅で過ごせるようなサポートが受けられる。
- 医学的に正しいからといって望まない、あるいは合わない医療を押し付けられない。
- それぞれ自分のライフスタイルに沿った医療を受けられる。
これが私の目指したい医療です。
患者さんに「あのクリニックに行ってよかった」と感じていただけるよう頑張っていきたいと思います。
院長 本山 浩道